2004フォーミュラ・ニッポン第9戦
11月5〜6日、三重県・鈴鹿サーキットにてフォーミュラ・ニッポン最終戦となる、第9戦が開催されました。
5日予選日
寒暖の差が激しい季節ながら、好天で迎えた予選日。
今回の予選は、通常より長めの1時間で計測を行う公式予選1回目と、トップ10に入ったマシンが1台ずつアタックを行うスペシャルステージで争われました。このため、まずは各ドライバー予選1回目に10番手以内に残ることが最大の課題となります。さらに、スペシャルステージに向けてニュータイヤを残しておくことも、上位獲得のポイントとなっています。
10:35から行われた公式予選1回目。気温21℃、路面温度27℃と11月にしては温かな日射しが振り注ぎ、絶好のレース日和。
開始から15分が過ぎ、ようやく各マシンがコースイン。最初にトップタイムをマークしたのは、リチャード・ライアン。アタックに入ったブノワ・トレルイエ、脇阪寿一がこれに続きます。脇阪はこの時点で1分46秒096をマーク。
その後、本山哲がトップタイムを更新し、残り20分となったところで、脇阪は2セット目のニュータイヤを投入し自己ベストを更新します。このあとも渾身のアタックでタイムを更新しますが、トップタイムには届かず、3番手で予選1回目を終えています。
そして迎えたスペシャルステージ。15:00から開始となり、気温23℃・路面温度28℃。1台につき2周が計測され、決勝グリッドが決定されます。走行順は10番手からとなり、井出、金石、土屋、本山、ロッテラー、トレルイエ、小暮、脇阪、服部、ライアンの順。
脇阪は、計測1周目からフルアタックを開始しますが、デグナーの1つ目でコースをはみ出し、2周目に賭けます。しかしここでも大きくタイムを伸ばすことができず、ベストは僅かに更新し1分45秒505となり、決勝グリッドは6番手からのスタートとなりました。
6日決勝日。
予選日同様に好天が続き、14:30〜フォーメーションラップがスタート。全車両がグリッドにつき、シグナルがレッドに点灯。46周で争われる中高速のテクニカルコースを征するのは誰か?!シグナルが消灯し、固唾をのんで見守る今季最後のレースがスタートとなりました。
いいスタートを切った本山に対し、チャンピオン争い中のロッテラーが大きくポジションダウン。脇阪は順調にスタートを切り、オープニングラップを6番手で戻ってきます。路面状況からタイヤ交換なしでも走行が可能との情報もあり、各チームのピット作戦にも注目が集まります。
やや硬めのタイヤが準備されましたが、20周を過ぎるとグリップが悪くなることや、燃費から予想されるピットタイミングとタイヤ交換の本数なども見所となりました。
ピットロード走行によるロスタイムは23秒。これに作業によるストップ時間がプラスとなり勝利の明暗を分けることとなります。
序盤で後方に沈んだロッテラーが早々と7周でピットイン。これに続き8周を終えたところで道上龍、11周を終えたところで6番手を走っていた脇阪寿一がピットイン。停止時間15.8秒でピットを後にします。
トップ集団では3番手を走行していた本山が、14周を終えたところでピットに入りますがタイヤ交換に時間が掛かり、大きくタイムロス。ポジションも大幅に落とします。
服部と井出のテール・トゥ・ノーズによる激しい戦いやピット作業によるライアンとトレルイエの順位交代など、レースの流れは二転三転し、最後まで目の離せない戦いとなりました。
31周を終えた時点で、トップからトレルイエ、ライアン、脇阪寿一、井出、服部、本山、ロッテラーの順。
しかし、34周頃から脇阪のエンジン音に変化が見られ、36周目エキゾースト割れが発覚。エンジントラブルには至らないまでも、ストレートの伸びはなく、後方から追い上げにかかる井出に前を許します。
後半はトレルイエがトップを快走。ライアンと井出による2位争いは最後までもつれ込み、44周目軽い接触がありながらも1コーナーで井出が前に出ます。
このままフィニッシュとなり、最終戦はトレルイエが優勝を飾り、井出、ライアン脇阪寿一、土屋、本山の順で幕を閉じました。
今季は最後まで拮抗したレースとなり、リチャード・ライアンがシリーズチャンピオンとなり、脇阪は5位でシリーズを終えています。