2004フォーミュラ・ニッポン第3戦
6月5〜6日、栃木県・ツインリンクもてぎにてフォーミュラ・ニッポン第3戦が行われました。今季は開幕戦・鈴鹿ではスタートでのマシントラブルが尾を引き、リタイア。第2戦・SUGOでは2ステージ制と天候の荒れを、好スタートでものにし3位表彰台。
「まだまだマシンは完璧な状態ではないが、少しずつ良くなってはいる。ただ、まだ路面に合わせていくほどではないけど、一歩ずつ結果を残しますよ。」
と語ってくれていたが、この言葉通り第3戦もてぎは、予選2番手。フロントローからのスタートとなりました。そして、ここもてぎは脇阪寿一にとっても好成績を残すサーキット。期待が高まる中、「フロントローからのスタートは満足しています。あとは、タイヤ交換・給油が終わったところで、トップにいれば後はレースをコントロールできるはず。」と予選後のコメントを残し、サーキットをあとにしました。
決勝日(6/6)は、気温21℃・路面温度24℃。
55週と長い距離で戦われるツインリンクもてぎの上空は、厚い雲に覆われ、レース開始15分前にはパラパラと雨が落ち始めていました。
天候の変化を考慮し、10分の特別走行がもうけられ、各車再度路面状況の確認に入ります。フォーミュラカーでのレースは、ドライバー力量はもちろん、シャーシバランス、エンジンに加え、タイヤの選択も重要な要素。これらを総合してマシンのセッティングと呼ばれます。
FNでは毎戦、ドライ・ウエット各1種類のタイヤが準備され、路面状況に合わせて選択することになります。今回のようなパラパラと雨が落ち始めた場合、スタート時どちらを選択するか?タイヤ交換時どちらを選択するか?そして、路面が乾き始めた又は濡れ始めた場合、どのタイミングでタイヤ交換を行うかが勝敗を大きく左右します。
スタート直前、やや霧雨が降り、コース西と東側では路面コンディションが違うという難しい状況となりました。全車レインタイヤを装着。
ホームストレートは1コーナーから暖かな向かい風が吹く中、14:10シグナルがグリーンに!
後方2列目4番手からスタートの本山哲が好スタートを決めトップで1コーナーに。ポールポジションのリチャード・ライアンが2コーナーからダッシュをかけ本山に襲いかかります。2番手スタートの脇阪寿一はスタート直前4位にまで順位を落としますが、3番手に復帰。4コーナーではトップが入れ替わるという白熱したオープニングラップとなっています。しかしトップ争いはここで終わるはずはなく、2ラップ目の1コーナーで再びヒートアップ。本山が先頭に立つと、リチャード・ライアンがコースアウト、15番手まで順位を落としています。2番手走行の脇阪は、チャンスを伺いながらも路面コンディションの変化などからリアがかなり不安定で、ブレーキバランスの異常を訴える苦しい状況で、なかなかペースを上げることが出来ません。その後、3番手走行の井出有治に1コーナーでパスされ、4番手走行のブノワ・トレルイエとの差もジリジリと詰まり始めます。
最初に動きを見せたのは、チームメイトでもある片岡龍也が8周目にピットイン。
場所によっては雨が残るなか 下位に埋もれていた片岡は勝負をかけスリックタイヤに交換。13周を過ぎると、順位中盤からスリックへのタイヤ交換が始まり、上位を残すのみとなります。上位の動きを見ながら早めのタイヤ交換を予定していた脇阪も、15周目にピットイン。18.4秒でピットをあとにしコースに復帰するも、前半にタイヤ交換をした車両が功を奏し、脇阪は少し遅れて8番手。タイヤ交換の数周のタイミングが大きく順位を左右することとなりました。
この時点での順位はトップから、アンドレ・ロッテラー、片岡龍也、井出有治、本山哲、道上龍、金石年弘、ブノワ・トレルイエ、脇阪寿一。しかし7番手走行の金石年弘にドライビングスルーペナルティが出され、戦線離脱を余儀なくされます。5番手争いも白熱する中、33周目ビクトリーコーナー手前で立川とライアンが接触。立川はコース中央にマシンを止め、これによりセーフティーカーが入ります。
少しずつ開き始めていた各マシンの差もなくなり、再スタートを待ちます。
35周目再スタート!
しかし、2番手走行の片岡が出遅れ、井出に前を許します。混走状態の中、脇阪が1コーナーでスピンしコースアウト。惜しくもマシンを止めてしまいます。
このあと、4番手争いの本山とトレルイエが10周以上もテール・トゥ・ノーズの熱い戦いを見せ、トップ3は変わることなく幕を閉じました。
<寿一コメント>
予選は路面コンディションと気温が味方して、タイムが出ました。かなりラッキー
だったかな。でも結果で解るように、車はかなり良くなっています。思った通りに動く車という意味でですけどね。
この部分が、マシンをセッティングしていく上でとても重要になります。
ただ、チームメイトとのタイム差が気になりますよね。一人ではなく、3人が速くないと意味がないので。ツインリンクもてぎは、どう走れば速く走れるかが解っているサーキットでもあります。
ヘアピンでの失敗がなかったら、もう少しタイムが出ていたかな?っと思ってます。
決勝では、ブレーキトラブルを抱えていたのが最後までひびいてしまいました。
トラブルがなかったら・・・トップと同じタイムで走れるくらい良かったんですけどね。最後セーフティーカーが入った後のリスタートは、リタイア覚悟で賭けに出ました。ポイント圏内じゃないと意味がないので、いちかばちか前を狙いましたが行きすぎてスピンしてしまいましたね。ここのところ、GT、FNとも運がないし流れが悪い。モチベーションを下げずに信じた方向を進んで、結果に結びつけたいと思っていま
す。