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2004Racing Report

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脇阪寿一 Round1 Round2 Round3 Round4 Round5 Round6 Round7 Round8 Round9

Round8 ツインリンクもてぎ

2004フォーミュラ・ニッポン第8戦

10月23〜24日、栃木県ツインリンクもてぎにてフォーミュラ日本第8戦が開催されました。今シーズンも残り僅か2戦。チームの総合力が拮抗する中、後半から確実な走りと速さが際立ち始めた脇阪寿一もチャンピオン争いを賭けた一戦となりました。

また、第6戦のリチャード・ライアンがブノワ・トレルイエを危険行為とし抗議したため、順位の入れ替え起こり、レースアクシデントとするトレルイエが控訴していた件は、ようやく暫定決着。モータースポーツ中央審査委員会で審議された結果、順位は替わらずブノワ・トレルイエの優勝となっています。

このため、ドライバーズランキングも入れ替わり、トップからアンドレ・ロッテラー、2位リチャード・ライアン、3位同ポイントで脇阪寿一、ブノワ・トレルイエ、4位本山哲、5位小暮卓史の順となります。

今季2度目の開催となるツインリンクもてぎは1周4.801km。コースの特長は、ストップ・アンド・ゴーと言われ、ブレーキやギアに厳しいサーキット。コース前半はややフラットだが後半はややアップダウンのあるコースレイアウトとなっています。そのため、ブレーキングとコーナー立ち上がりの加速がより重要なポイントとなり、見所は長いバックストレートとから入る90°コーナー。フルブレーキングでの飛び込みは、抜きにくいと言われるツインリンクもてぎのパッシングポイントでもあります。 第8戦は、55周で争われました。


脇阪寿一

23日予選日

久しぶりの秋晴れが心地よい朝となり、いよいよ公式予選1回目がスタート。気温18℃・路面温度26℃。

金曜日のフリー走行からダントツの速さを見せつけていた脇阪寿一は、やはりここでも魅せます。午前中に始まった公式予選1回目は、多くのドライバーが好タイムをマークするなか、脇阪はあっさり1分37秒061をマークしトップタイム。後半ややセッティングをいじったことで、残り10分を切って服部尚貴にトップを奪取され3番手。

しかし午後の公式予選2回目が始まる頃には、気温19℃・路面温度22℃となり序盤は各マシンとも最終セッティングを確認。残り20分を過ぎると、ニュータイヤでのアタックが始まった。

やはりトップタイムをマークしたのは脇阪寿一。1分36秒066と、2位以下を寄せつけない速さで昨年の第4戦もてぎ以来のポールポジションを飾っています。


脇阪寿一

24日決勝日

スタート直前に脇阪は「今回はチームが凄く頑張ってくれた。あとは自分を、そして彼らを信じて走るのみ。今回は“寿一の先行逃げ切り”のレース展開にしたいですね。」と、自他共に認める“もてぎマイスター”の貫禄を見せる一幕も。予選日に引き続きホームストレートはやや向かい風があるものの、すがすがしい秋晴れ。

気温19℃、路面温度25℃。気温や路面温度から見ても、タイヤライフは1セットでも持つとの情報もあり、給油のみを選択するマシンもあるのでは?など、各チームの戦略も見所の一つとなりました。フレッシュなニュータイヤでより速さでマージンを稼ぐのか?どれとも、ユーズドタイヤを使いこなし、前を急ぐのか?

いよいよグリーンフラッグは振られ、シグナルが消えスタート! 前を阻むものが居ないポールポジションからのスタートでしたが、やや出遅れ2台に前を許してしまいます。イン側から井出有治、アウト側からブノワ・トレルイエが接触ぎりぎりのスタートで脇阪の前を行き、IMPUL勢2台を追う形となりました。

しかし速さは脇阪の方が優勢のため、すぐにトレルイエの真後ろにつき、テール・トゥ・ノーズで追い立てます。その間にトップを行く井出は1分39秒台を刻み、脇阪が抑えられている数周の間に2.3秒のマージンを築いてしまいます。しかし、脇阪の目に見える範囲に居る井出は射程距離範囲内。幾度と無くトレルイエに仕掛け、後ろからあおること6周。

脇阪は7周目の1コーナーでインに飛び込んで、勝負あったかと思われた矢先、左フロントにトレルイエが接触し、2台ともコースアウトとなってしまいます。
これにより脇阪は無念のリタイヤ。

関係者が騒然とする中、脇阪はピットに戻り、「車が速かっただけに残念です。スポンサーやチーム、そして応援してくれていたファンの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱい。」とだけ取材陣にコメントし、レースを終えています。

その後レースは、アンドレ・ロッテラーのジャンプスタートによるドライブスルーペナルティが出され、チャンピオン争いを繰り広げている、リチャード・ライアンとの2位争いに拍車がかかります。トップは序盤にマージンを築いた井出有治が快走し、西日に照らされる中2年目初の優勝を飾っています。

結果はトップから井出有治、リチャード・ライアン、アンドレ・ロッテラー、片岡龍也、本山哲、松田次生の順。これによりドライバーズランキングは、トップからアンドレ・ロッテラー33P、リチャード・ライアン29P、井出有治26P、ブノワ・トレルイエ20P、脇阪寿一20P、本山哲20Pと、シリーズチャンピオン決定は、最終戦・鈴鹿に持ち越され、脇阪のチャンピオンの権利は無くなったものの、上位をめざし厳しい戦いを強いられることとなりました。

<寿一コメント>

脇阪寿一

「金曜日の走りはじめからクルマの状態がよく、ポールポジションも狙っていました。決勝はレース序盤のブノワ選手とのバトルの中で、アウトから並びにいった時にコーナー出口でかぶせられたり、アクセルを急に抜かれたりという事もあったんですが、もう少しサイドバイサイドのスペースをとっておいてくれたら有難かった。そうは言っても抜ききれなかった自分が悪いので反省している。せっかくいい車を仕上てくれて臨んだレースだったのに結果が出せなくて、スポンサー・チーム・ファンの皆様に申し訳なく思っています。次の鈴鹿最終戦でこの借りを返し、優勝できるよう頑張ります」


 
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