2004全日本GT選手権
第４戦

今回の十勝は、ドライバー、チーム、そしてダンロップタイヤにとって、他のカテゴリーでは経験があるものの、ＧＴについては初走行が金曜日のフリー走行という事もあり、色々と予想しづらかった。　最近、周りでは、”ダンロップは茂木を狙ている・・・”と言われてるけど、はっきり言ってどこでも狙っている！　ただ、まず優勝を目標にしている僕達にとっては、”勝つ”か”次に繋げる”か・・・という意識は全員がはっきりと持っていた。

金曜日のフリー走行。　やはり現実はそんなに甘いものではなく、いざ走ってみると優勝を狙えるスピードはなかった。　理由は１つではないけど、大きな要素は、意外とバランスが悪くタイヤに厳しいと予想し、タイヤをハード主体で持ち込んだ為。　しかし、このネガティブな要素を逆手に取り、チームはこの日の午後にＪＧＴＣ初のタイヤ無交換作戦の可能性を探り出した。
土曜日、予選。　アタック、ロングラン共に遅かったので、予選後のミーティングでタイヤ無交換作戦について積極的に話し合った。
日曜日、フリー走行。　タイヤ無交換を遂行出来るか、最終的な確認をしたが、いくらハードであってもタイヤのライフ的にはギリギリ。　しかし、この様な苦しい状況で、良いラップタイムを出せずに着実にポイントを取る事はＪＧＴＣのハンディシステムなどを考慮しても良い結果に繋がるので、チームでタイヤ無交換作戦を決定した。

決勝。　スタートは僕で、スタート前に服部さんから、『タイヤとクールスーツは使ったらアカンけど、頭は使ってええからなー！』とアドバイス？をもらいスタート。　今回の様な”ボチボチ”行くレースほど荒れたり、何かに巻き込まれたりしてレースを落とし易いので、結構周りを見ながら走っていた。　案の定、体当たりしてくる人もいたけど、今回は冷静に対処出来たと思っている。　特にガスが多い時はタイヤを傷め易いし、トップグループは別として、他車のタイムも落ちてくると思ってたので、とにかく『これでええんかな？』と思うくらいセーブした。　その後、数台抜くチャンスはあったけど、やはりこのサーキットは抜きづらく、第一にタイヤを傷めては意味が無いので無理はしなかった。　そして、服部さんに交代、予定通りタイヤ無交換、給油の１３秒のみでピットアウト。　周りで見ていた他チーム員のビックリした顔が面白かった！　コース上に戻った服部さんは７位までジャンプアップ。　７位はハンディウエイトを２０ｋｇ下ろせる中の最高順位という事もあり、チーム全体が密かに盛り上がったけど、服部さんを以ってしても、流石に後半タイヤが厳しく９位でゴール。　これでＪＧＴＣ初のタイヤ無交換でのポイント獲得となった。今回のレースは、チーム全体が柔軟に各パートで仕事を出来た結果で、地味なレースではあったけど、今季のベストレースと思う。　これでハンディウエイトも２０ｋｇになり、ランキング７位とは言えトップまで７ポイント差。　次は何としても勝って、ポイントリーダーになりたいと思います！！