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2004Racing Report

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脇阪寿一 Round1 Round2 Round3 Round4 Round5 Round6 Round7 Round8 Round9

Round7 セパンサーキット

2004フォーミュラ・ニッポン第7戦

9月18〜19日、国内トップフォーミュラであるフォーミュラ・ニッポンも、いよいよ初海外戦を迎えることとなりました。記念すべき1戦目は、マレーシア。
FN第7戦が開催された“セパンインターナショナルサーキット”は、マレーシアの首都であるクアラルンプール郊外にある比較的新しいサーキットで、F1やGT選手権を開催することでも知られています。1周約5.5kmと走行距離が長く、低速〜高速まで15ものコーナーを有するテクニカルコース。また、ホームストレートが約927m、最終コーナー手前のバックストレートが886mと長い直線も併せ持つため、1コーナーでのパッシングも見所となっています。


脇阪寿一

18日予選日

赤道直下の国マレーシアでのレースは、35℃を超える暑さに加え、突然降るスコールもレースに大きな影響を与えます。これによる高温多湿の気候はドライバーにとっても厳しく、集中力を維持し戦うための精神力と体力も勝負。この日も午前中に始まった公式予選1回目で、気温31℃・路面温度44℃。脇阪は、様子を見ながらの滑り出しに、1分49秒899と安定した速さで2番手につけます。

15:00〜開始となった公式予選2回目時にはますます温度が上昇し、気温36℃・路面温度53℃を記録。F1でのデータを元に暑さを予測して準備されたブリヂストンのハードコンパウンドのタイヤでも、厳しい路面コンディションとなりました。30分が過ぎ、路面の好転を見計らっていた各マシンがアタック開始。残り10分を切る頃には次々とタイムを更新する中、脇阪は1分49秒278をマークし4番手。

しかしポールポジションを獲得した服部尚貴との差は0.257秒と、上位4台は僅差の状態で公式予選を終了しました。脇阪は「余裕を持ってのアタックで4番手。決勝のセッティングは見えているし、ぼくの車はガソリンが重い方が速いですから。」とコメントし決勝に賭けます。


脇阪寿一

19日決勝日

予選日までの強い日射しが一転し、朝から時折雨が落ちる不安定な天気となり、朝のフリー走行での路面はドライコンディションながらも一部ウェット。各マシン、決勝でも予測されるウェットでのセッティングを見ながらの走行となりました。 今回の第7戦セパンは今季SUGO、鈴鹿に続き3回目となる2スプリント制。

ファーストスプリント
11:00過ぎにスタートとなったファーストスプリントは20周で争われ、脇阪は予選4番手、2列目からのスタート。天候は時折落ちていた雨が上がったためドライコンディションでのスタートとなりました。5番グリットからのアンドレ・ロッテラーがいいスタートを切り、トップで1コーナーに進入し、続いて服部尚貴、井出有治、脇阪寿一の順。

直前の雨によりラバーグリップが流れて路面がかなり荒れた状況からは、毎周ごとにコンディションが変わるため、それに合わせた走り、いわゆる よりドライバーのテクニックが問われる戦いとなります。ベテランである脇阪は速いペースで順調に周回を重ね、3番手をいく井出有治を射程圏内におきチャンスを伺います。6周目ではその差1.562秒。周回毎に、1.083秒、0.906秒、0.332秒とその差はみるみる縮まり、9周目には井出の真後ろにつけプッシュし続けます。

チャンスがきたのは14周目。一気に抜き去ると、今度は井出との差をつけ始め、2番手をゆく服部を追いますが、短い20周での戦いはここで幕を閉じ1つポジションをアップして3番手でファーストスプリントのチェッカーを受けています。


ファイナルスプリント
14:00から始まったファイナルスプリント。27周で争われ最終章となるレースは、3番手2列目からのスタート。スタート1時間半ほど前からマレーシア特有のスコールに見舞われ、路面はフルウェットコンディションとなります。このため、各チームともマシンを完全なレイン仕様のセッティングにしての戦いとなり、予想はしていたもののピット内に慌ただしい時間が流れていました。

いよいよシグナルが変わり最後のチェッカーへ向け全車両スタート! 全く走行車両や順位も確認できないくらいの水煙の中、脇阪寿一は順調なスタートを切り、3番手をキープします。2周目には2番手を走行する服部尚貴に仕掛けますが、無理の出来ない路面に阻まれパスすることが出来ません。後方では接触やスピン、コースアウト、リタイアが相次ぐ中、4周目からは雨が次第に弱まり始めます。

16周を終えた頃には逆にウェットタイヤでの限界が見え始めるほど、コース半分は水しぶきが立たないドライコンディション。20周目には日射しが差し始め、刻々と路面は変化し、フロントタイヤに厳しいと言われるセパンサーキットで予想以上の過酷なレースとなりました。27周と短い周回での戦いは、当然各チームともタイヤ交換の予定はなく、余程のことがない限りピットイン=戦線離脱を意味します。

どこまでタイヤの摩耗を抑え、最後までラップタイムをキープしながら走りきれるかに、注目が集まりました。後方からピットスタートだったリチャード・ライアンが驚異的な追い上げをみせ4番手に浮上。3番手を走行する脇阪に4秒差まで詰め寄りますが、前半にタイヤの摩耗を最小限に抑えている脇阪には届かず、残り3周目には痛恨のスピン。

雨の激しいときにギャップを30秒まで広げたアンドレ・ロッテラーがトップでチェッカーを受け、今季2度目の優勝を飾ります。脇阪寿一は3番手で第7戦セパンを終了し、フォーミュラ・ニッポン初海外戦の表彰台を獲得しています。

これにより脇阪のドライバーズポイントは24ポイントで、ランキング2位となっています。ランキングでもトップとなったロッテラーとの差は5ポイント。3位以下も拮抗しているため、残り2戦はより激しい戦いを強いられることになります。

残り2戦はツインリンクもてぎ、鈴鹿サーキットと脇阪が得意とするサーキット。Wタイトル獲得に向け、猛ダッシュをかけることとなります。

<寿一コメント>

脇阪寿一

「まずは、JRPの努力を評価し感謝したいですね。ただ、初と言うこともありまだまだ改善点もあるし、やり方によってはもっと面白いレースに出来たんじゃないか? とも思います。これからですけどね。

フォーミュラ・ニッポン初の海外戦を振り返ると、金曜日の走行は晴れていましたが、ほとんど使われていないサーキットでは路面がレースコンディションにはなっていなくて、最悪な状況でした。ただ、ここのところマシンも決まっているし、路面が整ってくるのを信じてセッティングは触らず周回を重ね、待ちの状態でしたね。

他チームの中にはF1タイヤのテストなどでフォーミュラカーを走らせているチームもあり、その部分ではFNマシンで初めての走行はギアレシオの確認など初歩的なことからのスタートだったため、色々試しながらの走行でもありました。だから、金曜の走行は54〜55秒台からのスタートで、後半ようやくトップタイムが51秒台。翌日の予選ポールタイムは1分49秒021だったでしょ?

気温よりも路面の変化によるタイムアップが激しかったですね。今回はドライでのセッティングはかなり余裕があった。だからドライになると前2台よりも速いタイムで走れていました。でも雨になるとオーバーステアが酷くてコース上に留まっているのがやっとの状況でした。3位を死守するのがいっぱいいっぱいでしたね。ただ雨が降ってランキングトップが入れ替わったのは、ぼくにとってはやりやすくなったかも。今季のリチャード・ライアン選手はコンスタントに速い。PIAAはレースによって浮き沈みが激しいからね(笑)レース内容には関係ないどけ、今回一番驚いたのはフォーミュラカーの路面によるタイムアップの変化かな。今まで1トンを超えるGTマシンでの走行だったので、それほど感じなかったけど、 FNマシンは軽いのに加えハードタイヤだったので、走りはじめは全くグリップせず氷の上を走っているような感覚でしたよ。経験の長いぼくでもビックリするくらい。予選などはソフトタイヤでも良かったんじゃないかな?と思うくらいでしたね。

今季残り2戦、何をいっても行くしかないでしょ。ランキングトップとの差は5ポイントと広がってしまいましたが、全く問題ないですよ。全開でチャンピオンを目指しますので応援して下さい。」



 
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