第3戦スポーツランドSUGOでの優勝でハンデウェイトを90kg搭載しての参戦となったエッソウルトラフロースープラは、予選前日の練習走行でスープラ勢としては4番手、総合10番手につける2分2秒155をマーク。 ウェイト増とマレーシアの暑さによるタイヤの消耗を意識したレースセッティングを進める中でのタイムとしては十分に速く、決勝での結果を期待させてくれた。
この時期のマレーシアとしてはやや涼しいながらも、日本の真夏と同じ35℃に近い猛暑となった予選1回目で、エッソウルトラフロースープラの脇阪寿一は渾身のアタックを決めて2分00秒350のタイムを出して8位につけた。 さらに気温と路面温度が上がった予選2回目でも、脇阪は7番手につける2分00秒637というタイムを出したが、タイムは予選1回目のタイムを上回る事ができず総合予選結果で9番手となった。 それでも、搭載するハンデウェイトを考えれば十分に速いタイムであり、ポイント獲得を狙えるポジションからスタートできることとなった。
土沼監督「予選は上出来です。ポジションはちょっと良くないけどタイム差をみると悪くないですから、決勝ではおいていかれることなく前についていって、ウェイトを降ろせて最大のポイントが得られる5位になればいいですね。(ボーリングでいえば)ストライクは無理だけどガーターはとらずにスペアは獲りたい」。
「午後のタイムが下がったけど、コンディションがちょっと合わなかったかな。でも、ウェイトを積んでいる割にはそこそこのタイム出てるから、オモリを降ろせばポールポジション獲れる状態にはあります」(寿一) |
|
|
予選日同様に日本の真夏を超える気温に厳しいレースとなることが予想された決勝で、エッソウルトラフロースープラはスタート直後の上位グループでのアクシデントに巻き込まれてポジションを大きく落としてしまい、序盤からハンデを負っての戦いとなった。 スタートを務めた飯田章は14番手からの追い上げを図るが、路面温度の高さからタイヤの消耗が激しいためにむやみにペースを上げず担当のスティントを着実に走りきり上位陣の脱落を待つクレバーな走りを見せた。 飯田の狙い通り、上位陣では接触があったりトラブルでポジションを落とすクルマが出て徐々にポジションを上げ、ピットイン直前には9番手にまでポジションをアップした。
ところが、脇阪にドライバーを代えて走り始めてすぐにクルマの動きに違和感を覚えたことからピットイン。 素早くタイヤを交換してレースへ復帰したが、ポジションを大きく落とす事になってしまった。 脇阪は、余分なピットストップでのロスを取り返すべくプッシュをして前を追いかけたが、どこからか入り込む煙のために呼吸困難になって集中力を維持する事が出来ず、思ったようにペースを上げられなかった。 それでも、脇阪はプッシュを続けたが序盤のプッシュが祟って終盤はタイヤを持たせつつチェッカーを受けるためにペースを落として、集中力を繋ぎとめながら奮闘を続ける。
残り5周で9番手を走っていたNo.39デンソーサードスープラGTがピットアウト時の違反で失格となりエッソウルトラフロースープラは11位でチェッカーを受けた。 ところが、チェッカーを受ける前の周からバイブレーションがでていたというタイヤが、チェッカーを受けた直後に左リアタイヤがバーストするという、ヒヤッとするアクシデントが起きたが、脇阪はマシンをコントロールして接触しながらもストレートエンドでマシンを止めた。
残念ながらポイントを獲得する事は出来なかったが、ウェイトを積んでの走りでライバルと対等に渡り合う事が出来る事が確認できた事で、次に繋がるレースとなった。
土沼監督「ポイントが獲れなかったのはちょっと辛いですね。もうちょっといけるかと思っていたんですが。最初のアクシデントで下がったポジションを取り戻せませんでした」
飯田章「いけるとこまで行こう思ったけどあれが目一杯でした。アクシデントでポジションを落としたことでペースを抑えて自分のパートを確実に走りきることに専念しました。途中でピットに入るより抑えた方が得策ですからね」
|
「ファイナルラップに入ってバイブレーションが出はじめて、チェッカーを受けてちょっとアクセルを踏んだらストレートでバーストしたんですが、チェッカーが受けられて良かったですよ。煙は僕が受け取った最初から出ていて、何もしてないのにタイヤがブローして一回ピットにはいったんですが、煙で息が吸えなくなって頭が痛くなるしで、ペースが上げられなくて。 リアタイヤのタレが早かったということもありましたけど。暑さにたいしては耐えられたんだけど、煙で体力を奪われたのがきつかったですね」(寿一)
|