前日以上の好天に恵まれた決勝日。 時折強い日差しが顔を見せるレース日和となった。
午前9時30分にスタートしたフリー走行。 まず各マシンともガソリンを多く積み、
決勝セットのチェック等を行う作業に入る。 まず1分17秒台に入ったのが#1本山 哲。
前日は電気系のトラブルでマシンが思うように走らず、苦戦を強いられたが、
スタッフによる懸命の復旧作業が功を奏し、復調をアピールする。 予選3番手だった
#55脇阪寿一は、ややスローペースで周回を重ねたあと、10分後にピットイン。
各部のチェックを行い、その後のコースインで1'17.139とタイムを縮め、3番手に浮上する。
一方トップ#1本山はすでに16秒台へと突入。 これを意識するかのように#31R・ファーマンも
16秒台に入り、フリー走行ながら緊迫したタイム競争が展開される。 #55脇阪も徐々に
ペースアップに成功。 折り返しとなる15分後には1'16.408までタイムを縮めて2位へと浮上。
手ごたえを得る。
しかし#31ファーマンも負けてはいない。 1'16.177のタイムをたたき出しトップへ。
これに#1本山が続き、そこへ#3荒 聖冶が割って入り、#55脇阪は4番手までポジションを下げた。
しばらく上位4台のポジションに変化は見られなかったが、チェッカー直前に#55脇阪が
1'16.130のタイムをマーク。 #31ファーマンに0.047秒の差をつけ、トップでフリー走行を終えた。
午後2時30分。風薫る5月らしい天気の中、62周にわたる長丁場のレースがスタート。 レッドランプ
からすぐさまグリーンランプに変わり、フロントローの2台、#31ファーマンと#8土屋が難なくスタートを
決める。 しかし、2列目アウト側スタートの#55脇阪はスタートを失敗。 出遅れたために後続に飲み
込まれ、また1コーナー飛び込みで接触、痛恨のスピン。 マシンが後ろ向きとなり、一気に最後尾まで
ポジションを落としてしまう。
逃げる#31ファーマンに対し、2番手の#8土屋は#32松田の猛追に遭い、序盤から苦しい展開。
時折サイド・バイ・サイドのドッグファイトを繰り広げたが、#8土屋が一歩もひかず、
#32松田をシャットアウトする。
一方の#1本山、スタートこそ7番手だったがオープニングラップで5番手に浮上。
怒涛のハイペースで前車との差を一気に詰める。 さらに、13周を終えてライバル車よりも早めに
ピットイン。スムーズなタイヤ交換を終え、コースへと舞い戻る。 この作戦は、その後ライバル勢が
タイヤ交換を終えてコースインすると、本山がすでに前を走っている、という形で結果を残し、
レース前半を終える頃には#31ファーマン、#1本山、#32松田というオーダーでトップ争いを繰り
広げるまでに至った。
スタートで出遅れた#55脇阪だが、その後懸命の追い上げでポジションアップを狙い、先手を打つ予定で
タイヤ交換を8周目に遂行。 ところが、ピットスタート時にリミッタートラブルによりエンジンがストール。
これでまたしてもタイムロスを作ってしまい、再び後続へとポジションを下げるハメになる。
レースは中盤を終え、依然として#31ファーマンが独走。 これを#1本山が猛追するスタイルが続いたが、
35周目、トップ#31ファーマンのタイムがガクンと落ち、スロー走行する様子がモニターに映し出される。
ミッショントラブルに泣かされた#31ファーマンはここで戦線離脱。去年に引き続き、美祢で勝利を飾る
チャンスを失った。 これにより予選での出遅れも何のその、気が付けば#1本山がトップに浮上。
2番手の#32松田が懸命にトップとの差を詰めようとプッシュするが、#1本山は冷静にタイム差を読みながら
レースをコントロール。 終盤、トップ争いでの逆転劇にはならず、#1本山が執念で勝利を手に入れた。
また、2位には#32松田、3番手には#8土屋が入っている。 4位は今季FNレースにデビューした#56金石年弘。
5位には先のレースで負傷した#6道上龍から変わった#6光貞秀俊が入り、#11B・トレルイエも初入賞を
果たし、レースを終えている。
なお、スタートで後退、ピット作業でも悔しいエンジンストール、と荒れたレース内容に翻弄された#55脇阪。
終盤は懸命の追い上げを見せ、前方だけでなく後続車との縦列走行で激しい8位争いを展開したのだが、
51周目にクラッチトラブルのため、ペースをガクンと落とし、翌52周にはマシンをピットに戻し、
自らレースを終えることとなった。
第4戦は鈴鹿・東スペシャルコース。 それを前にもてぎと菅生では合同テストが予定されている。
各マシンともテストで走りこみを行い、新たなデータ獲得とセッティングの向上に全力を尽くすことになる。 |
|
|