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2006/3/19
『SUPER GT 開幕戦』

2006年、5年ぶりにチームを移籍した脇阪。心機一転で迎えた今シーズンは、トヨタにとってもニューマシン・レクサスSC430を投入する年となった。ニューマシンの開発は当然のことながら、シーズンを重ねるごとに激化するSUPER GTの闘いでは常にマシンポテンシャルを向上させる必要があるため、いつもより増して多忙なシーズンとなりそうだ。

開幕戦の鈴鹿は春の嵐が訪れ、寒さがぶり返す厳しいコンディション。金曜日はウェットからドライでの走行で9番手のタイムをマーク。トップから1秒ほど離されてしまったが、土曜日はドライコンディションの中、予選1回目を6位で終了。トップタイムとの差は0.6秒まで縮まった。最終予選は昨季から導入されたスーパーラップでの一発勝負。天候が変わり、雨の中でマークしたタイムは5番手となった。決勝はドライながら強風と季節外れの寒さがサーキットを包み込む。事実上トップでステアリングを受け取った脇阪は後続車のプレッシャーをもろともせず、巧みにマシンをコントロール。攻防戦を制し、2003年以来の勝利を掴み取ることに成功した。

■3月17日・金曜日 公式練習
早朝まで降り続いた雨はコースをしっかり濡らし、午前9時半すぎに始まった走行ではまだ全車がレインタイヤを装着する状態だった。オフシーズンのテストを経て迎えた開幕戦だが、マシンにはまだ多くの開発点が残されている。クルマのパフォーマンスとしては未知数の部分を持ったままレースウィークに突入することになったが、まずは13番手のタイムをマークした。午後2時からの走行では青空が広がり、ドライコンディションでの走行。9番手までタイムを上げ、セッションを終えた。

■3月18日・土曜日 予選
前日より風は治まったが、春の嵐は寒さまで連れ戻してしまった。気温10度、路面12度の中、予選1回目がスタート。GT500クラス専有のアタックが始まり、脇阪がコースへと向かった。だがアウトラップで勢い余ってコースアウト。自力でコースへと復帰、そのまま残り時間が迫る中アタックし6位を獲得した。
「路面温度が昨日より低かったので、早めにタイヤを温めようとペースアップして走ってたらスピンしてしまいました。金曜日の最終データをもとにリアセクションのセッティングを変更して、マシンのフィーリングが違っていた影響もありますね。コースに戻ったのは残り4分のとき。正直、気が立ってたんですが、関谷監督が“4分あるから落ち着いていけ!”と、ひと言いってくれたので、落ち着いてアタックできました」
と状況を振り返る脇阪。残された僅かな時間で叩き出したタイムは6番手となる1分53秒284。
「あと1周あれば、という気持ちもありますが、トップとの差は縮まっているので、スーパーラップでは新たに頑張ります」と気持ちを切り替えた。
正午を前に雨となり、レインタイヤで挑んだスーパーラップ。雨のテストは経験済みだが、その時点では攻めの走りができない状況だったとのこと。しかし脇阪は同じSC430勢の中で最速ラップをマークする。ウォームアップ中にコースを大きくはみ出してドキリとする場面もあったが、ワンラップアタックでは与えられた仕事をこなし、5位から決勝レースに挑むこととなった。
「前回の雨のテストよりもクルマは仕上がっていました。でも完成度としては50%くらい。もっと速くなる要素はあると思うけど、現時点でドライバーとして与えられた部分のギリギリのところで走れていると思います。そういう意味では満足できた予選でした」とアタックを振り返った。

■3月19日・日曜日 決勝
午前中は青空が顔を見せていたが、気温は一向に上昇しない。さらに天気雨が一瞬にして雪に変わるほどの冷え込みとなった。朝のフリー走行では12番手に留まったが、脇阪は「決勝で表彰台を狙えるチャンスはある」と静かに闘志を燃やしていた。
午後2時半、気温9度、路面16度の中、52周の決勝レースがスタート。スタートドライバーのアンドレ・ロッテラー選手がポジションを3つ上げ、2位でオープニングラップを終了する。これで勢いづいたNo.36OPEN INTERFACE TOM’S SC430はトップのNo.8ARTA NSXにプレッシャーをかけながら周回を重ね、逆転のチャンスを待った。トップ2台がテール・トゥ・ノーズになった22周目。ヘアピンで射程距離にとらえ、続くスプーンの入口でアウト側にマシンを振ったロッテラー選手が8号車を逆転。ひと仕事終えた25周目にピットに戻ってきた。
ピットロード入口で背後に迫ったのが、もう一台のSCを駆るNo.1 ZENTセルモSC。ほぼ同時期のピット作業だったが、チームスタッフが慌てずスムーズな作業を済ませ、脇阪をコースへと送り出す。コース復帰後は、ひと足先にドライバー交代を済ませ、タイヤを温めた8号車からの猛追を受けることになったが、巧みに追撃をかわして事実上のトップをキープ。1秒前後の緊迫した闘いを乗り切った。さらに終盤には、3位にいたNo.23XANAVI NISMO Zがペースアップし、8号車をパスした勢いで脇阪を攻め立てた。だが、勝利が近づく中、力強い走りを続けた脇阪は猛攻をシャットアウト。ニューマシンのデビューレースで勝利するとともに、移籍したばかりのチームで価値ある一勝を上げることになった。

■脇阪寿一 コメント
いい形でバトンを受け取れ、アンドレには感謝しています。2週間前のテストの段階で誰がこの結果を予想したでしょう。開幕までにトヨタ、TRDが本当にいいところまでクルマをもってきてくれました。正直、まだ一発レベルでは遅いんですが、ロングランは良かったです。ただ、決勝ではものすごくオーバーステアで、途中何回もめげそうになりました。でもアンドレの走りが自分に勇気を与えてくれたし、いい形でコースに出ていけたから、頑張れました。本来の自分なら、あとはゴール目指してイージー・ドライブが出来たと思うんですが、ここしばらく優勝してなかったので、そういう感覚を自分が忘れているようなところがあったのか、ものすごく緊張して…。普段入らないような力が入ってしまいました。今日の優勝は、また新たに成長できるきっかけになったと思います。ここ数年色々悩むこともありましたが、今日の勝利は本当にうれしいです! これ以上ない結果が残せて良かったです。スポンサー、チーム、代表の舘さん、関谷監督、クルマの方向性を一緒になって考えてくれたトヨタ、TRD、ブリヂストンのみなさんに感謝します。ありがとうございました。


2005年3月 脇阪寿一

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