どーも、ごぶさた管理人ですフゥ〜！今日は今年からニューデザインとなったJ氏のヘルメットをみなさんにご紹介しますフゥ〜！

そこでヘルメットをデザイン・塗装されている横浜の工場へ潜入、ペイント職人でスプレッドビーバーの代表でもある奥平寿和(おくひら としかず)さんに詳しい話を聞かせてもらいました。奥平さんはJ氏の他にも松田晃司選手などレーシングドライバーのヘルメットを多数手掛けておられます。一般的なペインターさんと違うのは、様々なものをペイントされていて、携帯電話にはじまりバイク、ジェットスキー、クルマ、冷蔵庫や家具、看板にヘリコプターetc・・・なにかとスゴイ方なんです。

話をヘルメットに戻しますと、じつは新しいヘルメットの構想は昨年の８月まで遡ります。レーシングドライバーの顔とも言えるヘルメットの大幅なデザイン変更は大変な時間と労力が掛かるのです。

まず、J氏の意向は「ブルーを基調に以前のパターンを残しつつ、斬新なデザイン」と、奥平さんにオーダーがあったそうです。そしてラフ案（イラスト）を見ながら、J氏のデザインやカラーリングへのこだわりとわがまま!? 自分の事のように真剣になって協力してくれた松田晃司選手のアドバイス、そこに奥平さんのセンスが加わります。長い期間をかけて数えきれない程の試行錯誤があり、「前から見るとレーシングドライバー風のデザイン」プラス「サイドから見るとカッコいいライダー(※WGP)的なデザイン」をコンセプトに固まっていったそうです。
(※バイク世界選手権、2輪のメットは個性的でかっこいいデザインが多いんです)

そこで決まったものを塗ってみる事になり、ようやく試作版０号が１月に完成。がしか〜し平面デザインからの印象とは違い、「・・・やってしまった！」と、完成品を見て奥平さんは固まり、意識が遠くなっていったとか。という訳で残念ながらボツ・・・さらに修正、手直しを繰り返し、ココでようやく１号ヘルメットが完成したそうです。時はすでに２月と開幕近いこの時期ですが、まだまだ終わりません！不眠不休の作業により『寿一Kidsのイラスト』追加など、ココから進化した２号ヘルメットが3月の合同テスト直前にギリギリ完成、スーパーGT開幕ではこの２号ヘルメットが公式戦でデビューしました。

実はこのヘルメットには８色のカラーが使われています。アライヘルメットからは純白のJ氏用のヘルメットが工場へ届きます。そして最初に真黒なペイントを全体に施します、この時ペイントされた黒は最後までラインとして残るそうで・・・信じられない本当の話です。

パソコン上でデザインされたものを特殊な機械で出力し、ヘルメットにあわせて神業的なマスキング作業に入ります。カラーによって数パターンのマスキングをしながら塗装するのですが、透き通った色のキャンディ、パールといわれる光沢のあるものを使ったり、絶妙なグラデーションもつけながら、乾燥させて塗り、乾燥させてまた塗るペインターの腕が問われる部分でもあります。こうして繊細な作業を何度も地道に繰り返して塗装が仕上がっていくのです。

４月現在、１号＆スーパーGT用の２号、ルマン仕様のレッドベースが３号ヘルメットとして存在し、どれもベースデザインは一緒ですが微妙に色使いや細かい部分で違いがあるのです。さらにスーパーGT用の４号、続いてルマン用５号をこれから製作するとおっしゃってましたので、みなさんが本物を目にしたときに「コレは何号かな？」とマニアックに見比べるのも楽しいかも知れませんね。

"Spred Beaver" 奥平さん 談
「特にサイドから見たときの”J ”にみせる部分や細かいところにはこだわりを持って取組みました。やっと完成した試作品の時でも寿一さん、松田さんから速攻「NG」をいただきました（笑）・・・もし、同じ手法でレプリカのペイントを破格の値段で依頼されても逃げ出すかも!?です。それほど今回のペイントはレベルの高い技術が要求されるので。でも、やりがいが凄くあって苦労した分達成感もあり、出来上がった物が寿一さんに気に入ってもらえると職人冥利につきますね、ホント嬉しいです。まだまだおもしろいアイデアを溜め込んでいますのでみなさん期待していてください、進化させますから。ホント何でも塗りますよ、お気軽にご相談ください、お仕事お待ちしてま〜す！ 」

■協力 "(有)Spred Beaver(スプレッドビーバー)" 奥平 寿和
横浜市港北区新羽町156-1
TEL&FAX：045-531-9363
Mail：sdbr@chive.ocn.ne.jp