今回はトムスの足元を支える強力なパートナー、ブリヂストンタイヤのお話。
レースファンの方々はもうご存じと思いますが、よくある質問。
質問
「レース用のタイヤは表面がツルっとしていますが、溝がなくても滑らないのですか?」
写真1
写真2
答え
皆さんがよくサーキットで見られる滑りそうなタイヤが写真1ですよね。
これは乾いている路面用の新品タイヤです。見た目、滑りそうですよね。
もちろんコンディションによって違いますが、このタイヤを装着してピットから出ます。
最初はものすごく滑ります。レーシングカーの大パワーをこのすべるタイヤでコントロールするのは非常に難しく何とも表現できないぐらい大変です。正直、自分もこの状態でよくスピンします。走行を続けていくうちに路面とタイヤの摩擦でタイヤの表面温度が上がります。
低くて60度、高いと100度まで上がります。その温度に達して初めてタイヤのコンパウンド(簡単に言うとゴム)が溶けてねちょねちょして路面にひっつきグリップを生むわけです。写真2は一度使用して表面が溶けた後、固まった状態。新品のものよりグリップしそうでしょ?
タイヤに溝があればその分、路面との接地面積が狭くなりグリップ力が低減するのです。
タイヤの溝の本来の目的は濡れている路面でタイヤと路面の間に存在する水を吐きだし、路面とタイヤの設置性を上げる役割です。ですから乾いている路面では必要ないのです。
溝のパターンも各メーカーによって考え方も異なり違う溝が存在しているわけです。
例えばブリヂストンのGT用レインタイヤ。
雨の量によって溝の深さも異なります。
タイヤの違いは溝の部分だけではなく、もちろんドライタイヤもレインタイヤも見た目が同じように見えるタイヤもコンパウンド(ゴムの特性)も違えば構造(タイヤの繊維の組方)も違い種類で言うと気が遠くなるぐらいあります。
僕たちがテスト走行で行うタイヤテスト、これはたくさんのタイヤの中でそのコンディションや次戦のコンディションを想定してタイヤを選んでいる大切な作業なのです。
タイヤテストをしている時はブリヂストンのスタッフがチームにきて共同で行います。
トヨタ勢の場合、長谷川さんが担当です。
ピットに車が戻ると真っ先に違うブリヂストンスタッフがタイヤ温度を測り長谷川さんやエンジニアにそれを伝えます。
チームエンジニアもドライバーも彼とのコミュニケーションをとりタイヤを選んでいきます。各ドライバー、各エンジニアそれぞれがタイヤに関してそれぞれ違う表現の仕方でタイヤの特性を説明するため、彼の情報収集は大変な作業だと思いますし、それが一番大切な作業となるわけです。
タイヤ屋さんがタイヤ温度を測り終わるとすぐにメカニックがこうしてホイールを磨いて綺麗にしてくれます。
ちなみに1日の使用本数はこんな量です。
まとめ
昔からレーシングカーを速く走らせる3大要素、良いシャーシ、良いエンジン、良いタイヤと言われていますが、現代のレースではこの3要素の中でも一番タイヤが大切と言っても過言ではないのです。
ブリヂストンの皆さん、これからもよろしくお願いします。
質問
「レース用のタイヤは表面がツルっとしていますが、溝がなくても滑らないのですか?」
写真1
写真2
答え
皆さんがよくサーキットで見られる滑りそうなタイヤが写真1ですよね。
これは乾いている路面用の新品タイヤです。見た目、滑りそうですよね。
もちろんコンディションによって違いますが、このタイヤを装着してピットから出ます。
最初はものすごく滑ります。レーシングカーの大パワーをこのすべるタイヤでコントロールするのは非常に難しく何とも表現できないぐらい大変です。正直、自分もこの状態でよくスピンします。走行を続けていくうちに路面とタイヤの摩擦でタイヤの表面温度が上がります。
低くて60度、高いと100度まで上がります。その温度に達して初めてタイヤのコンパウンド(簡単に言うとゴム)が溶けてねちょねちょして路面にひっつきグリップを生むわけです。写真2は一度使用して表面が溶けた後、固まった状態。新品のものよりグリップしそうでしょ?
タイヤに溝があればその分、路面との接地面積が狭くなりグリップ力が低減するのです。
タイヤの溝の本来の目的は濡れている路面でタイヤと路面の間に存在する水を吐きだし、路面とタイヤの設置性を上げる役割です。ですから乾いている路面では必要ないのです。
溝のパターンも各メーカーによって考え方も異なり違う溝が存在しているわけです。
例えばブリヂストンのGT用レインタイヤ。
雨の量によって溝の深さも異なります。
タイヤの違いは溝の部分だけではなく、もちろんドライタイヤもレインタイヤも見た目が同じように見えるタイヤもコンパウンド(ゴムの特性)も違えば構造(タイヤの繊維の組方)も違い種類で言うと気が遠くなるぐらいあります。
僕たちがテスト走行で行うタイヤテスト、これはたくさんのタイヤの中でそのコンディションや次戦のコンディションを想定してタイヤを選んでいる大切な作業なのです。
タイヤテストをしている時はブリヂストンのスタッフがチームにきて共同で行います。
トヨタ勢の場合、長谷川さんが担当です。
ピットに車が戻ると真っ先に違うブリヂストンスタッフがタイヤ温度を測り長谷川さんやエンジニアにそれを伝えます。
チームエンジニアもドライバーも彼とのコミュニケーションをとりタイヤを選んでいきます。各ドライバー、各エンジニアそれぞれがタイヤに関してそれぞれ違う表現の仕方でタイヤの特性を説明するため、彼の情報収集は大変な作業だと思いますし、それが一番大切な作業となるわけです。
タイヤ屋さんがタイヤ温度を測り終わるとすぐにメカニックがこうしてホイールを磨いて綺麗にしてくれます。
ちなみに1日の使用本数はこんな量です。
まとめ
昔からレーシングカーを速く走らせる3大要素、良いシャーシ、良いエンジン、良いタイヤと言われていますが、現代のレースではこの3要素の中でも一番タイヤが大切と言っても過言ではないのです。
ブリヂストンの皆さん、これからもよろしくお願いします。
コメント ( 9 )
僕も以前は、タイヤの溝にかんしては疑問をもっていましたが、テレビで寿一さんが説明しているのを見ていて納得しました。後、某ラジオである方も説明していました。
ちなみに僕が今乗っているクルマのタイヤはブリヂストンです。
思い切っていいタイヤ買いましたが乗り心地がグットで満足しています。
投稿者: kazutaka | 2008年03月29日 19:01
日時: 2008年03月29日
結構、おもしろいですね
次はエンジンの話をしてもらえたらうれしいです!!
第2戦がんばってください!!
投稿者: トムスの応援者 | 2008年03月29日 19:48
日時: 2008年03月29日
また寿一さんの話で経験値Upしました(^-^)b笑っ
投稿者: 有花 | 2008年03月29日 20:38
日時: 2008年03月29日
今年のタイヤは、去年と比べるとどんな感じですか?
投稿者: ジョカ | 2008年03月29日 21:22
日時: 2008年03月29日
先日の鈴鹿の開幕戦の際に、使用済みのタイヤを見る
機会がありましたが、あんなになるもんなんだと
思い、眺めていました。
少しの断片からでも配合の分析がかけられて、どんな
薬品が入っていたり、配合などがわかったりしてしまうらしいです。
タイヤのゴムが飛んだりしているのを見て、そういう機密みたいなのは大丈夫なのかな?
と、ふと考えてしまいました。
寿一さん達の足を固める魔法の靴のお話でしたが、
皆さんが普段使用されている車にも多種多性能のゴムがタイヤ以外に使われているんですよ!
投稿者: 酒税王! | 2008年03月29日 22:24
日時: 2008年03月29日
投稿者: カズキ | 2008年03月29日 23:41
日時: 2008年03月29日
知らなかった事もあったので、今度レース観戦した時は、今までとはまた違った角度から、観れそうです。
投稿者: hiro | 2008年03月30日 07:24
日時: 2008年03月30日
私もレースファンになったばかりの時は、同じような疑問を持っていました♪
でも、溝があるほうがドライの路面では滑りやすくなるんですよね(^皿^)★
レースでは、路面温度によってタイヤのもつ時間(?)も変わってくることを知りました(゜▽ ゜//)
これからもブリヂストンスタッフとともに頑張ってくださいっっ♪☆
投稿者: 涼 | 2008年03月30日 12:32
日時: 2008年03月30日
テスト走行やレースの時、パドック裏へ行くと
スタッフさん達がタイヤを運んでるのよく目に
します。毎回違うとは思うけど、どれだけのタイヤを用意してるんやろ??
今回も寿一さんの解説、解りやすかったです。
ありがとうございます(*^^)v
投稿者: mihoっち。 | 2008年03月30日 21:26
日時: 2008年03月30日