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2007/3/16

『SUPER GT 開幕戦』

2008 AUTOBACS SUPER GTが開幕。第1戦の鈴鹿は公式練習の金曜日こそあいにくの雨となったが、予選、決勝は春の穏やかな陽気に包まれ、ファンにとっては何よりのレース日和に恵まれた。
No.36 PETRONAS TOMユS SC430の新たなカラーリングでシーズンを迎えた脇阪。シーズンオフでは精力的にテストをこなし、SC430の進化に尽力し続けてきた。ライバルたちの躍進も気になるところだが、まずは自分たちの戦いをするのみと挑んだ予選で、4番手を獲得。また、開発を共に進めるNo.38号車との接近戦を繰り広げた決勝では、脇阪が得意とする巧みなタイヤコントロールを披露し、3位でチェッカー。ニューGT−Rによる表彰台の独占を見事に阻止した。
なお今回は昨年の鈴鹿1000kmに引き続き、グランドスタンド裏のグランプリスクェアにて「脇阪家」をオープン。季節の恵みをふんだんに取り入れたレストランメニューなどを提供するほか、ファンとのコミュニケーションスペースとして大いに盛り上がりを見せていた。


SC430
■3月14日・金曜日 公式練習
午前10時からのフリー走行は、あいにくの雨。とりわけ東コースは路面のあちこちに川ができるほどの雨量となり、まともな走行は厳しい状態。チームではトラックコンディションをチェックした上で、ロッテラー選手をまず送り出した。マシンの走行チェックを済ませ、ピットイン。ドライバー交代のシミュレーションを行ったあと、脇阪が深溝タイヤを装着してコースへ。皮むきを済ませ、再びロッテラー選手へとステアリングを委ねた。
午後は雨も小康状態へと回復。だが、周回を重ねようとすると、また雨が落ちるという不安定なコンディションが幾度となく繰り返される状態。その中で、No.36 PETRONAS TOMユS SC430はまずロッテラー選手が浅溝タイヤで走行を開始した。途中、今シーズンから導入方法が変わったセーフティカーのシミュレーションをはさみ、脇阪が再びコースへと向かった。クルマのバランスに手応えを得たことから、ロッテラー選手へとスイッチ。予選を意識したセットアップ、空力の変更などを行い、走行を終えた。
6番手で練習走行を終えた脇阪。「アンドレの2分05秒252というタイムは、もうタイヤの山がほとんどない状態でマークしたものでした。SCの総体的なレベルとしては満足しています。あれほどの雨の中でもいいフィーリングで走れる状態でしたし、危なげなく攻めの走りができました。トヨタ、TRD、ブリヂストン、チームエンジニア、メカニック、スタッフらがみんなガンバってくれていい車を準備してくれたので、乗りやすくなっています。ライバルとの戦いは実戦を経てから違いもわかるので、今は気にしないようにしています」と落ち着いた様子で1日を振り返った。


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■3月15日・土曜日 予選
前日の生暖かい雨から一転、土曜はやや冷たい風が強いものの、すっきりとした青空がサーキットいっぱいに広がった。午前10時に予選1回目がスタート。先に始まったGT300のアタックで赤旗が出たため、GT500はやや定刻よりも遅いスタートとなった。アタッカーのロッテラー選手は、GT−R勢に続く4番手となる1分52秒705をマーク。GT300との混走枠では、脇阪がガソリン満タンの決勝セットでまずは予選通過基準タイムをクリア。その後チェックを続けたが、気温、路面温度ともに想定以上の上昇を見せたため、新たにセットの調整を加えることになった。
午後の予選2回目は、直後のスーパーラップに向けてのセットアップを確認。最終5分の段階で、ドライバー交代のシミュレーションを行い、決勝に向けて万全の体制確保に努めた。
午後3時25分にスタートしたGT500のスーパーラップ。7番目にコースインしたロッテラー選手は、午前の予選で自らマークしたタイムをさらに削る1分52秒270で、暫定トップに浮上。その後アタックしたGT−R3台がこれを上回ったものの、No.36 PETRONAS TOMユS SC430は、ポジションキープの4番手から決勝スタートを切ることに成功した。
「今回はテストの段階からクルマがいい状態で、メニューどおりのスケジュールでした。だた、今日になって気温と路面温度が想定以上高くなったので、ちょっとタイヤのゴムのムービングを感じ取る状態でした。しかしながら、予選のアタックに関してはなにも影響はありませんでした」と満足気に予選を振り返る脇阪。ライバルたちの動向も気になるところだが、「今日の順位は予想以上のもので、自分たちが考える中での最高の結果でした。これはシーズンオフに自分たちがチームワークを大事にしながら取り組んできたことが結果になったのだと思います。明日の決勝では、一生懸命自分たちの優位さをしっかり引き出しながら戦いたいですね」とヤル気を覗かせていた。


SC430
■3月16日・日曜日 決勝
決勝日も快晴に恵まれた鈴鹿サーキット。グランプリスクェア内に設けられた「脇阪家」では、朝早くから多くのファンがくつろぎの時間を過ごしている様子が見られた。一方、午前9時35分からは、フリー走行がスタート。基本的にはセット変更を行わず、細部のチェックをするにとどまり、タイヤも周回を重ねたものを装着していたため、さほどタイムは伸びず。「フリー走行で初めてNo.38 SCの先行を許したのが悔しいね」と言いながらも、脇阪の顔には笑みが。前日同様、気温と路面温度の上昇を予測した上で、決勝でのタイヤ選択枠を広げておこうという意図があってのこと。近づく戦いに準備万端で挑むことができるという確信があったようだ。
午後に入り、なおも気温が上昇。決勝前には気温19℃、路面温度33℃という週末一番の温かさに。3万2000人の大観客が見守る中、午後2時に52周の決勝レースがスタート、No.36 PETRONAS TOMユS SC430にはロッテラー選手が乗り込み、早速オープニングラップから混戦の中で壮絶なバトルを展開し始めた。
そのオープニングラップのS字入口。ロッテラー選手の前方にいたNo.12 GT−Rがレーシングアクシデントで軽く接触したという情報が入る。幸い、マシンの損傷はなく、ロッテラー選手はそのまま走行を続け、3位でオープニングラップを終了した。前2台はNISMOのGT−R。それを追いながら、後方からはNo.38 SC430が接近という緊迫したシチュエーションの中、冷静に周回を重ねたロッテラー選手。ライバル達のピットインは20周を過ぎて始まったが、後続のNo.38ともどもNo.36 PETRONAS TOMユS SC430のピットインは23周終了時となり、さらに張り詰めた空気がピットに流れた。
ソフトタイヤを装着していたロッテラー選手に代わり、脇阪はミディアムソフトタイヤでコースイン。5秒近くあったNo.38 SC430の立川選手の差が次第に縮まり、激しい攻防戦へと展開するかに見せた。しかし、タイヤの特性を知り尽くす脇阪は、自らは無理のないペースで周回する一方、追い上げにタイヤを消耗させた立川選手のラップタイムを念頭に置きながら走行。後続が猛追するには難しくなる頃を待って、ペースアップするという逃げ切りの作戦を実行した。高いレベルを要する見事なタイヤ使いで3番手をキープした脇阪。そのままチェッカーを受け、表彰台に上がった。


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■脇阪寿一 コメント
「今回はエンジニアが負けない車を作ってくれました。自分達の持てる力を出し切ったレースだったと思います。序盤、アンドレが12号車と接触したということですが、ちょうどモニターにも映っていなかったのでなんともいえないですね。とにかく今日はチームのみんながパーフェクトな仕事をしてくれました。ピットストップは38号車と同じタイミングでしたが、同時に作業するなら絶対に負けない、という関谷監督やエンジニアの意見に従って頑張りました。今年はチームの士気が高まっているし、自分の身体でチームが進化していることを感じ取れるのがうれしいです。レース中の立川選手(No.38 SC430)との戦いですが、同じタイヤを選択していたので、プッシュするのにタイヤを使ってしまうと、その後の追い上げが難しくなるだろうというのがわかっていました。だから、一度は立川選手との差を縮め、ラップタイムが落ち出した頃に、僕はタイムアップして逃げ切ろうという作戦でいきました。ともにSCの開発を進める気心知れたライバルとのバトルはとても楽しかったですね。GT−Rのデビューはレースを盛り上げてくれたという意味でよかったと思うし、その中で3位になれたこともうれしいし、シーズンのスタートとしてはいい結果だったと思います。しかし、これに満足することなく今シーズンも頑張ります。今後ともご支援を賜りますとともに、ご声援くださいますよう、よろしくお願いいたします」



 
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